チーズに夢中になり始めた頃のこと

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私は2010年にチーズプロフェッショナル資格をとりました。
チーズプロフェッショナル資格って何かしら?と思われる方が多いと思います。
ワインでいう「ソムリエ」のようなもので、チーズについての正しい知識と販売管理技術を持っているチーズのスペシャリストのこと。NPO法人チーズプロフェッショナル協会が認定しています。
チーズの正しい伝え手となり、チーズを食卓に定着させ、日本に独自のチーズ文化を創っていくことを目的としています。

チーズのことをもっと知りたいな、と思うようになったのは、奥沢のパン屋さん「クピド」のオーナーさんが講師のパンとチーズの講習会に参加したのがきっかけでした。
カマンベールをはじめ数種の白カビチーズと青かびチーズを、お店のパンと合わせて紹介してくださいました。
それだけでは刺激が強い青かびチーズも、ドライフルーツが入ったパンと合わせると甘じょっぱくて何とも言えない味わいでした。酸味が強くてずっしりとしたパンも、まったりとした白カビチーズと合わせると、嚙むほどに甘みが出ます。
パンだけより、チーズだけより、合わせると1+1=2以上の数倍のおいしさが生まれます。
こんなおいしい世界があるなんて。いろんなチーズのことを知りたい!と思いました。

チーズのガイドブックを買ったりいろいろ調べる内に、チーズの資格があることを知り、どうせだったら試験を受けてみようかな、と思いました。
フランスをはじめイタリアなど世界各国が生産しているチーズや風土のこと、栄養成分、製造方法、原料となるミルクや牛・羊・山羊などのこと、などなど勉強する内容は山のようにありました。ややこしいチーズの名前の原語表記も覚えなければいけません。
独学するにはあまりにも内容が多くて、ワインサロンが行っているチーズの教室に通いました。

2次試験のブラインドテイスティング対策にと、30種ほどのチーズを買い込みました。
2週間ほど毎日夕飯は毎日チーズ。
10グラムほどにカットしたチーズを10種類、これとパンとサラダのごはんです。
毎晩100グラムのチーズを食べることになります。体が心配で、食後は夜中に近所の公園までウォーキングに行きました。
コレと決めたら突き進むタイプ、何ともストイックな日々でした。
夫には協力をお願いして、私とは別に自力で夕飯を済ませてもらいました。
お蕎麦屋さんに行ったり、お惣菜を買ってきたりと、文句も言わずに黙って協力してくれました。
極め付けは旅行です。
せっかく軽井沢のホテルに行ったのに、スーツケースいっぱいにチーズの教本を詰めて持って行き、部屋にこもって勉強しました。
かわいそうに夫は一人で周辺を散歩したり、日帰り温泉に行ったりしていました。

良い先生に恵まれ勉強の甲斐あり、何とか試験に合格しました。
辛い受験生活から解放されるのが嬉しくて、マイお祝いにと、試験会場のホテルで1切れ1000円超えのケーキを3つ買って帰り、こっそり一気に食べました。
その後、これからどうしようかな、と考えました。
プロフェッショナルなんて言っても知識を詰めこんだだけの事です。これからは生産者さんを訪ねたり、詳しい人の話を聞いたり、日本のチーズのことを調べたり、ゆっくりとチーズと付き合っていきたいな、と思うようになりました。


2016-10-13 | Posted in Blog, コラムComments Closed 

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