「民芸パン教室」って?

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~パンとお菓子と民芸と~
天然酵母のパンやお菓子を作って、各地で集めた手仕事の器と楽しむ「民芸パン教室」。
こんな風に教室のキャッチコピーをつけました。
民芸パン教室といっても、レッスン後のランチを民芸の器で召し上がっていただくだけの事なのですが…

数年前に鳥取の器に出会い、鳥取の窯元をレンタカーで10か所あまりめぐったのがきっかけで、主に民芸の器のとりこになりました。
それまではとにかく飾り気のないものが好きで、無印良品の白い食器ばかり使っていました。
その土地の土や釉薬からできた器たちは素朴だけど生活道具として長く使われてきた機能美が備わっていて美しいと思いました。
地方によってまちまちな表情をしているのも楽しく、不思議とどの器もお菓子や料理を優しく受けとめてくれ、テーブルが楽しくなりました。

また、作家さんの工房を訪ねては現地の風土を見たりお話を聞いたりするのはとても楽しい経験でした。
お仕事の邪魔をしてはいけないと事前にご都合をお聞きして訪ねるのですが、どの作家さんもおおらかに受け入れてくださいました。
たいていが町中から外れた山間で、夜は人通りが全然なくて真っ暗、食事をしようにもレストランなんてなくて動物や虫の声が響いているような場所です。
真夜中でもうっすらとビル明かりがして喧噪が絶えない便利な東京に慣れてしまっていますが、地方が不便なのではなくて、東京が特殊なんだ、なんて思いました。

手料理を盛った器を見ると、作家さんの顔や土地の様子が浮かんで、あの時はこうだったよね、なんて相方と話がはずみます。
友人を呼んで食事会をする機会が少しずつ増え、いつの間にかいろいろなお客様が我が家へごはんを食べに来てくれるようになりました。
お気に入りの器を囲んでお料理や音楽や民芸品の話をしたり、たくさんの方と知り合うことができました。
おしゃれでも、洗練されたものでもないけれど、料理が好きでパンが作れて良かったなぁと思います。

新しいアトリエで教室をはじめるにあたり、どんな風にやっていこうかと随分考えました。
他の教室を調べたり、インターネットでデータを調べたりすればするほど、人のまねごとになりそうで途中で止まってしまいました。
そんな中、相方とよもやま話をしている時に、どこかからポーンと出てきたのです。「民芸パン教室」という言葉が。
パンや料理や器のおかげで数倍楽しくなった日常を、生徒さんたちと分かち合えればこんなに嬉しいことはないと思います。
レッスンでは、繰り返し作りたくなるようなシンプルなパンを実習していただいた後、趣味で集めた民芸中心の器でランチをゆっくりと召し上がっていただきます。
ただそれだけの事ですが、アトリエの空気を味わっていただいて、日々のニッコリがちょっぴり増えると嬉しいです。

 


2016-09-29 | Posted in Blog, コラム, 民芸Comments Closed 

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